子育てにやさしい施設の作り方
チーム子育ての「子育てにやさしい街」に共感するものの、じゃぁ、実際、何をすればいいの?応援したいけど、どうしたら子育てにやさしい施設になるの?という方も多いと思います。
このページでは、「子育てにやさしい施設」になるためのノウハウを一部紹介します。ここにあるものすべての対応が必要というわけではありません。まずは自分たちの出来る範囲で出来ることから・・・。そして、対応できたのであれば、たとえほんの僅かであったとしてもサービス提供することで、子育て世代を応援することにつながります。
もっと詳しく施設を整えたい、という方はチーム子育てへご相談ください。保育士資格を持った男性子育て支援実務者や現役のママ・パパたちがアドバイスします。
福島県保健福祉部児童家庭課の「赤ちゃん連れに やさしい空間づくり ガイドブック」も非常にわかりやすく解説があるので、こちらも参考にしてください。
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/141972.pdf
オムツ替えスペース
一番、設置しやすいサービスです。もちろん、専用のベビーベッドがあれば、とてもわかり易く安心感があります。
しかし、ベビーベッドを常設設置するのは場所を取るので簡単ではないでしょう。
そんなときは、清潔な子ども用のマットや、座布団とタオルケットなどがあるだけでもオムツ替えスペースとして使うことができます。
オムツ替えの際には、使用済みのおむつが出てきますから、ビニール袋があると、そこにいれて持ち帰れるので助かります。もちろん、使用済みおむつのごみ処理までしてもらえれば助かりますが、オムツ替えはよくあることですから、持ち帰ることにそれほど抵抗を感じない人も多いので、ゴミ処理まで考えなくても大丈夫です。
なかなか外出先では子どもを安全に安心して横にさせられる場所が少ないので、そういう場を提供いただけるだけでも十分、子育て世代には助かります。
【参考】
■名古屋市赤ちゃんの駅基準(『赤ちゃんの駅事業の手引き』より)
・おむつ替え台、ベビーベッド、ベビーシート等、おむつ替え専用の設備及びおむつ替えの後に手を洗う場所を提供。
・おむつ替えをするための場所を提供する。使用するスペースは、衛生面に配慮し、定期的に清掃を行う。
・おむつ交換台を備えている場合は、転落事故防止に十分配慮するなど、子どもの安全 に努める。
・紙おむつなどのごみは利用者が持ち帰るものとする。
授乳室
ショッピングモールのように充実した授乳室を作ることはなかなか簡単ではありません。そこで最低限必要な、ポイントを押さえた準備により授乳室として活用できる方法を紹介します。
※ただ、実際には個人の感覚によるものが大きいため、実際に授乳中のママに確認してもらい、授乳室として心配なところがないか確認されることをおすすめします。
女性しか入ってこない場所であれば、最低限の環境で問題ないと考えるママは多いです。例えば、移動式のパーティションで句切られていて、「授乳室」の表示があれば、それほど不安を感じることはないでしょう。
一方、男性もいる状況であれば、明確に「授乳室」の表示があり、外部からは見えないような配慮が必要です。また、通路の動線上に授乳室があると、間違って入ってきてしまうかもしれないという不安を生む可能性がありますから、できるだけ通路の動線から離れた場所にパーティションで区切り、明確に「授乳室」とわかるような表示があると良いでしょう。
【参考】
愛知県 平成26年人にやさしい街づくり望ましい整備指針 42ページ
3.建築物の項目別整備の考え方(2/2) (ファイル名:3.koumokubetuseibinokanngaekata(8-15).pdf サイズ:375.32 KB)
■名古屋市赤ちゃんの駅基準(『赤ちゃんの駅事業の手引き』より)
以下のいずれかの場所を提供(トイレ内は不可)。
・四方を隔壁で仕切られた部屋。
・利用者が人目を気にせず授乳ができるよう、パーテーション、カーテン、ついたてなどの仕切りが設けられている場所。
・授乳のための場所(四方を隔壁で仕切られた部屋、パーテーションなどで仕切られたスペースなど、利用者が外部の目を気にせずに授乳ができる場)を提供する。
・使用するスペースは、衛生面に配慮し、定期的に清掃を行う。
トイレ
小さな子どもと一緒にトイレに入ることもなかなか苦労します。子どもを少し座らせておけるベビーチェアやベビーベッドがあったり、ベビーカーと一緒に入ることができるトイレは非常に便利です。
また、ある程度大きくなった子どもならば自分でトイレ利用をすることも可能ですが、子どもは暗いトイレや清潔感があまりないトイレの使用を嫌います。明るく清潔なトイレとなるように心がけましょう。
【参考】
■名古屋市赤ちゃんの駅基準(『赤ちゃんの駅事業の手引き』より)
妊婦休憩とトイレ
・室内において妊婦が座って休憩できる場所、及びトイレを提供。
保護者トイレ
・ベビーキープがあるトイレ、またはベビーカーと一緒に入ることができるトイレを提供。
子ども用トイレ
・子ども用の小さなトイレ、または補助便座のあるトイレを提供。
ミルク用のお湯
外出先だとミルク用のお湯を手に入れることも容易ではありません。ミルクを飲む子どもであれば、授乳室である必要はなく、通常のオープンスペースでも全く問題ありません。
ミルク用のお湯は一般的には70度程度のお湯が最適とされています。これより高温の場合、ミルクの成分が破壊されてしまうと言われています。逆に温度が不十分だと、雑菌を死滅させることができないために不安が残ります。
ミルク用のお湯を提供するのであれば、ママの安心感という点では、電気ポットでの提供がいいかと思います。電気ポットによっては「ミルクモード」があり、特に意識せずに最適な温度のお湯ができます。
また、水は普通の水を使ったほうがいいでしょう。ミネラルウォーターのほうが安全なイメージがあるかもしれませんが、日本で発売されているミルクは日本の水を前提に作られているために、ミネラルウォーターの成分によってはふさわしくない場合があります。普通の水道水や、浄水器の水を使ったほうが間違いがありません。
最近の電気ポットは比較的すぐに沸騰させることが可能ですから、常に沸かしておくのもいいですが、要望があったときにすぐその場で水を入れ、スイッチをオンにして沸かすようにすれば、ママにとっては安心感を感じることができるのではないかと思います。
ミルクを作るときには衛生に気をつける必要があることから、お湯だけの提供ではなく、手を洗う場所や哺乳瓶を洗う場所なども一緒に提供してもらえると助かります。
また、ミルクの後は濡れた哺乳瓶を持って帰る必要もあります。ビニール袋なども提供いただけるととても助かります。
お湯を提供する他にも、内容としては同じなのですが、キッチンを使わせていただくことも、子育て支援につながります。
現役の子育て中でないと分からない注意ポイントがあります。それを中途半端にしてサービスを提供するよりも、ママにすべてをお任せしてしまうのも方法の一つです。ママの手が放せない時間には、子どもを見てあげるなどすれば、問題なくサービスを提供できます。
【参考】
ミルク用のお湯は、厚生労働省のガイドライン(平成 19 年 6 月 5 日 食安基第0605 001号、食安監第0605001号 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課長、 監視安全課長)に従い、70℃以上に保ち、沸かしてから30分以上放置していないもの を提供する。
ミルクやおむつの販売
ミルクもおむつも大容量のものが販売されていることが一般的です。ママは常に必要であろうミルク、おむつを持って外出していますが、忘れてしまったり、予定よりも消費してしまっていて、持ち分が少なくなっていることもあります。
そんなときに、一つだけ、とか、少数だけ、買うことができれば、これも十分有益な子育て支援サービスにつながります。
ミルクは、子どもの年齢によって、成分や量が異なります。個別包装されているものが売っていますから、こうしたものを容易しておくと便利でしょう。
おむつも同じく、数十枚が1パックになって売っているので、個別販売できると便利です。ただ、おむつはサイズの種類が多いので、すべての種類を容易するのは難しいかもしれません。個別包装されたものも探すと販売されているので、こうしたものを在庫として持っておくのがいいかもしれません。
あなたのできるところから初めてみましょう
いかがでしたか。思ったよりも簡単に子育て世代へのサポートができることがわかったのではないかと思います。
もしわからないことや相談したいことがあれば、お気軽にご相談ください。保育士資格を持った男性子育て支援実務者や現役のママ・パパたちがアドバイスします。
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